2009年01月08日

町田宗鳳 『人類は 「宗教」 に勝てるか』

人類最大の敵は何か。
それは 「宗教」 にほかならない。
41CRqhgqt%2BL._SS500_

町田 宗鳳 『人類は 「宗教」 に勝てるか―― 一神教文明の終焉』
における主張はこのようにきわめて明快である。

結論をいうなら、私は他ならぬ 「宗教」 こそが、
人類最大の敵だと考えている。
宗教は人間を救うものなのに、なんという暴論を吐くのか、
という反論がきっとあると思うが、
そのような反論をしようという人の宗教への思い込みこそが、
おおいに問題なのである。 
(p.4)

わたしは本書をDan Kogai氏のブログをつうじて
知ったのだが、本日、年始挨拶回りの空き時間に
むさぼるように本書を読むにつけ、これはまさしく
「『反』 宗教本の中で、最強の一冊」 であるという
思いを強くしたしだいである。

だって、考えてごらん。
この先生は本書を出版することによって、
世界中でなんらかの信仰をもつひとびとに
対して、完全に、「喧嘩上等」 (@東京事変
と、啖呵を切っているようなものだもの。
そもそもこんなこと決死の覚悟を
決めないことにはほとんど
「ミッション・インポシブル」 に
決まっているではないか。


51d0iYC%2BW4L._SS500_

これがどれだけすごいことか想像がつくだろうか。
もはや四面楚歌で背水の陣の、命を懸 (か) けた
"Fighter" (@Christina Aguilera) 的状況を
自らつくりだしているにもかかわらず、
むしろ泰然自若 (たいぜんじじゃく) として、
淡々としておられるご様子なのだから、
断じて尋常 (じんじょう) ではない。
だって、いつ殺されたっておかしくないのだから。


41Fg78fPRpL._SS500_
このような常軌を逸した
超人的スーパーストロングスタイルは、
おそらく著者の類まれなアウトサイダー的経歴
から培 (つちか) われたものでもあるだろう。
14歳で出家し、以来20年間、
京都の臨済宗大徳寺で修行。
のちに寺を離れ渡米し、
ハーバード大学神学部で神学修士号
およびペンシルヴァニア大学東洋学部で
博士号 (Ph. D) を取得。
この時点で常人の域をはるかに超越しているのだが、
その後、プリンストン大学東洋学部助教授、
国立シンガポール大学日本研究学科准教授、
東京外国語大学教授を経て、
現在は広島大学大学院総合科学研究科教授、
オスロ国際平和研究所客員研究員 (ノルウェー)、
国際教養大学客員教授、日本宗教学会評議員。
とにかく、とてつもない、のひとこと。
要するに、著者は 「宗教」 というものを、
内側からも外側からも知り尽くしているのだ。

このような著者が長い宗教遍歴のすえに
辿り着いた結論が次のとおりである。

宗教は 〈愛〉 と 〈赦 (ゆる) し〉 を説くが、
人を幸せにしない。
人類社会を平和にもしない。
なぜか。
宗教とは人間の勝手な思惑で
作り上げられたフィクションに
過ぎないからである。
(p.9)

著者の筆致は全編をつうじて
比較的穏やかではあるが、
その底流には "Wake Up" (@RATM)
と、全人類に対して警鐘を鳴らしている
ように感じられるほどの圧倒的な凄みがある。
少なくともわたしは本書を読むことで
「宗教」 に対する見方が確実に変わった。
まちがいなく変わった。
この意味で、本書は強力な 「覚醒」 の書である
といっても疑いないであろう。
よろしく一読をおすすめするしだいである。



61hUsyiu0uL._SS500_
posted by PM at 21:56| 東京 晴れ| Comment(9) | TrackBack(0) | 書評/画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

そういう意味でわ
宗教って「藁をもすがる」
っていう時の
「藁」的存在なのかも(笑)(笑)(藁)・・・

オイラも頭打ちすぎた時は
出家したくなるよ☆(゜o゜(○=(-_-;コラッ
Posted by チョコたん at 2009年01月10日 10:08
そういう意味でわ
宗教って
「藁をもすがりたい」って時の
「藁」的存在なのかも・・・(笑)(笑)(藁)

オイラも頭打った時は
出家したくなるよ☆(゜o゜(○=(-_-;コラッ
Posted by チョコたん at 2009年01月10日 10:12
↑あ
ごめんなさい
慣れなくて
二重登校なちゃった
削除おねがいします

Posted by チョコたん at 2009年01月10日 10:17
「宗教って 『藁をもすがる』 っていう時の
『藁』 的存在なのかも」
――ちょこたん、ご名答。
まったくそのとおりだよね。
そういう意味では、「宗教」 っていう
「フィクション」 がえらく役立つことも
あるのは疑いないからけっしてむやみに
否定するものでもないんだけどね。
「信じる者は救われる」 っていうしさ。

ただし、一神教の根源的な問題ってのは
まちがいなくあるわけよ。
その最たるものが、自分たち = "OK" だとしたら、
そうではないあいつら = "NG" ってしちゃう点だ。
自分たち = "OK" であることを示すためには、
つねにあいつら = "NG" を必要としちゃうわけ。
しかも、あいつら = "NG" がいない場合には、
そいつらをつくってしまえばいいって発想だからね。
そういうわけで、
"OK" 組と "NG" 組の終わりのない闘争は、
いまこの瞬間にも現在進行形でつづいていて、
世界のどこかで絶賛殺しあっているわけだ。
こりゃ、きりがないよ。
悪い意味での 『ループ&ループ』 (@AKFG)
って感じだよな。

ところで、チョコたん、
出家なんてしちゃダメだぞ。
なぜかって?
あたりまえじゃないか。
チョコたんは、チョコたんであるがゆえに、
世界中のおいしいチョコレートを
食べ尽くすっていうミッションが
あって、それこそがチョコたんの
存在意義でしょうが。
だから、チョコたん、負けるな!
喰らい尽くせ!
おれも世界のありとあらゆる
おいしいものを喰らい尽くした
あげくに大往生するから (笑)
じじいになっても血のしたたる
ステーキをざくざく切り刻みながら
ばくばく喰ってみせるさ!
ふははははは (爆)
Posted by PM at 2009年01月10日 17:28
とても面白いと感じました。
まるで映画マトリックスと同じように、今まで当たり前と思っていた事象について目覚めるという事ですね・・・
Posted by ネオ at 2009年01月11日 21:14
「今まで当たり前と思っていた事象」
――これを 「現実」 だとするならば、
あのときネオくんが青いピルを
選ばなかったのも、もとの 「現実」 から
「目覚める」 ためだったわけだよね。
ネオくんが赤いピルを選んだのは、
それはネオくんが見たかったのが
ほかならぬ 「真実」 だったからだよな。
でも、ちょっと振り返ってみると、
あのとき赤いピルを選び、ネオくんは
「真実」 を見たはずなんだけど、
それでいったいなにがどう変わったのか、
という点が、おれ、結局、わからなくて、
ぜんぜん腑 (ふ) に落ちなかった記憶が
あるんだけど……
まぁ、ネオくん、この話題は本気になって
しまうとすんごく時間がかかっちゃいそうだから
またあらためてべつの機会にお伝えするよ。
じゃ、ネオくん、またね。


Posted by PM at 2009年01月12日 01:49
おもしろそうな本だな。読むぞ。
一神教的価値観はきみのいうとおり他者を排除してしまうってのがイタイ。日本的神頼み宗教、なんかばくぜんと神様っていると思うっていう程度の信仰は、世界基準じゃないけど、もっとも合理的だと思う。
Posted by taka at 2009年01月12日 16:23
「日本的神頼み宗教、なんかばくぜんと
神様っていると思うっていう程度の信仰は、
世界基準じゃないけど、もっとも合理的だと思う」
――まことに御意にござります。

本書はtakaさんの研究と直接かかわりあいになることは
ないかもしれませんが、それでも本書が無法に
おもしろいのは疑いようのない事実でございますため、
takaさんにもよろしく一読をおすすめするしだいでございます。
Posted by PM at 2009年01月12日 17:09
takaさん、今年は圧倒的に冴えてるんじゃないですか。
先ほど会社の最寄りのブックファーストに立ち寄ったら
こんな本が出てるじゃないですか!
――島田裕巳 『無宗教こそ日本人の宗教である』
(http://www.amazon.co.jp/%E7%84%A1%E5%AE%97%E6%95%99%E3%81%93%E3%81%9D%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%AE%97%E6%95%99%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B-%E8%A7%92%E5%B7%9Done%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%9E21-C-164/dp/4047101753/ref=sr_1_29?ie=UTF8&s=books&qid=1231930101&sr=1-29)
すげえ!
takaさんの直感そのままのドンピシャの
タイトルだったので、思わず、
吹き出しちゃいましたよ (笑)
それに、これって、ひょっとして
あのシンクロニシティじゃないの?!
わーお。
ひゅーひゅー。
すげえ!
Posted by PM at 2009年01月14日 19:57
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/112340095

この記事へのトラックバック